第101回 入学式

イベント
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2021年度の入学式を創立者記念講堂で挙行し、真新しい制服に身を包んだ、195名の新入生を迎えることができました。
新型コロナウィルス感染予防のため、在校生は自宅からライブ映像を通して新入生をお迎えました。
在校生の代表の学園歌独唱。
校長先生式辞、坂東眞理子理事長・総長先生告辞に続き在校生の代表が歓迎の辞を述べました。
式の最後には、新入生の代表に校長先生から昭和の扉を開く黄金の鍵 【入門の章】 が手渡され、新入生にとって心に残る入学式となりました。
講堂での式典を終え、教室では初めてのクラスルーム。クラスの先生方との挨拶、配付物の確認などを行いました。明日からは喜びと期待でいっぱいの中学校生活がスタートします。
生徒一丸となって活気ある学校生活を作りあげていきましょう。  
校長室から)
令和3年度昭和女子大学附属昭和中学校高等学校入学式式辞
早い春の到来で、桜の花に続いて、もう木々の枝先に緑の葉が開き、すがすがしい空気の季節になりました。
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。また、保護者の皆様、お嬢様のご入学おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
人類がその英知を結集しても、いまだにその本当の姿を解明できない新型コロナウイルス・変異ウイルスの感染拡大防止のため、今日のこの入学式は、参列いただく人数を減らし、時間を短縮して実施することにしました。でも、今日はあなたたちの一生で一度の中学校の入学式です。私たちも、先輩たちも、あなたたちを迎えるために精一杯の準備をして今日を迎えました。告辞を下さるために坂東眞理子理事長総長先生もご臨席くださっています。
この1年は世界中の人々に取って試練の年でした。これまでのようにはできなくなったこともたくさんあります。でも、工夫して、考えてできるようになったこともたくさんあるはずです。
昭和のあなたたちの先輩は、この1年本当にいろいろなことに挑戦し続けてきました。
その一つが緊急事態宣言下でのオンライン授業。最初は手探りだったその授業は、11月を過ぎる頃には、双方向のインターラクティブな授業に進化していました。オンライン授業の英語の授業観察をさせてもらうために、一緒にオンライン授業に参加しました。その英語授業は「問を立てる」ことに全員で取り組んでいる授業。1人1人が教室で実施する時よりはるかに活発に自分の考えを語りながら授業が進んでいました。授業の新しい形が見えてきたと思いました。教室での授業とオンラインの授業の組み合わせでさらに授業が進化していく可能性を感じることができました。
三密になることを心配して、中止を検討していた体育祭は、バトンとバトンを打ち合わす形のバトンタッチを取り入れたタイムレースのクラスリレーとして上級生体育委員が全学年の体育祭を引っ張ってくれました。
医療従事者へのコロナウイルスの感染を防御するワクチンの接種が始まり、もうすぐ高齢者への接種も開始する。1年前には、ワクチンの開発、接種がこのようなスピードで進むとは想像できなかったことが実現しています。改めて絶対に諦めない人間の力の素晴らしさを痛感します。
あなたたちが中学校を目指して勉強する日々には、たくさんの不安や迷いがあったろうと思います。このコロナウイルスで社会全体が大きく変わった中でも、この状況を乗り越えて、入試に挑戦した。勉強を最後まで諦めずにやり抜いて、昭和の生徒となることを選択してくれたあなたたちを心から誇りに思います。  
科学技術、AIやデープラーニングなどがさらに進化し、世の中のDXもどんどん進み、あと10年もすれば確実にやってくる、あなた達が大人になって生きてゆく時代は、今よりもさらに想像力を超えた未来の世界。どんなことになっているのかとても楽しみです。
こんな未来の社会で生きてゆくあなたたちが、昭和女子大学附属昭和中学校高等学校という女子校で学ぶ意義を改めて考えていきたいと思います。
人口減により、経済を支える労働市場で、女性の労働力が大きな意味を持つようになってきたことはもちろん、これまで日本で主流だった、女性の仕事とされてきたサポート役の仕事だけでなく、専門職としての女性の活躍が期待される時代。女子校は、それができるパワフルな女性として生きるための力をつける場所です。私たちは決してあなたたちを「女の子だからこれくらいでいい」「そんなに頑張らなくていい」とは言いません。6年生がパイオニアとなって過ごしてきたSHOUWA NEXTの5年間、学校全体でチャレンジすることが当たり前、さまざまな能力を持った友人と出会い、切磋琢磨しながら、伸び伸びと、ひたすらに自分の興味関心を突き詰めていくダイナミックな学びができる場でもあります。その学びによって学父が語られた「世の光となる」ことができるはずです。私自身が女子校で経験していますから間違いありません。
いつも先輩たちに話していることですが、英語や数学、国語などの基礎教科の学習はもちろん、昭和での学校生活の中で特に次の2つを頭に置いてほしいと思います。
その1 知る、考える、行動する  
 自分が知らないことがこの世の中にはたくさんあり、それを知るために学ぶ。
先人が育ててきた文化、知恵をあなたたちが引き継ぎ、育て、次の人々にバトンタッチするために学ぶ。
例えば、入試問題の国語で資料文とした中村哲「医者、用水路を拓く」。医師の中村氏がなぜアフガニスタンで用水路を建設し続けたのか?アフガニスタンの現状と人々の生活を知り、考え・感じて、そして、その学びから受け取ったことを元にして私たち自身がどう行動するのかを考える、このような過程を繰り返すことで自分の生き方を定めていくことができるはずです。
その2 問う力を磨く  
好奇心を持って「なぜ」「どうして」と問える力は、物事の本質を理解するために非常に重要な力。本を読んだり、話を聞いたりするときにいつも疑問を持って問い続けてください。問うためにはその本質を知ることが大切です。学びはそのためにある。
保護者の皆様
 私たちは、お嬢様を皆様と同じ気持ちで自分の娘と思い、一丸となり日々全力で教育活動に取り組んでまいります。
今、昭和では教職員が、新しい時代に向けて策定された新学習指導要領の趣旨を踏まえて「教えてもらうのを待つ学び」から、「自ら主体的に学ぶ学び」へと生徒たちの学びのスタイルを変えることを目標に、自分自身の授業を、それができる授業に進化させるための努力を続けています。「学ばない人からは人は学ばない」を胸に刻んで切磋琢磨し、工夫し「主体的・対話的な深い学び」となる授業を志向し、努力を重ねています。この職員たちに、新しいメンバーが加わります。昭和のさらなる教育力UPも期待していただきたいと思います。
娘たちはこれから学校生活で楽しいことや充実感を味わうことがたくさんありますが、悩み、苦しむこともたくさんあると思います。それを自分で乗り越えてゆく力の育つ時代です。
娘たちは、必ず自力で乗り越えていきます。
お嬢様の自力を信じて、保護者から自立支援者となって、成長を見守っていただきたいと思います。お嬢様のことを時には厳しく、ともに鍛えてゆく同志として、ご一緒させていただきます。
伝統は守るだけのものではなく、時代の変化を見据え、改革とイノベーションにより築かれてゆくもの。昭和のこれまでの100年の伝統を守り、さらに進化し続ける歴史を刻む一人としてお嬢様を育て、学校を発展させることを改めてお約束して、入学式の式辞といたします。
令和3年4月8日

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